入院顛末記−その2

入院してから、以下続き。


●3/4(木)−朝早くに看護師さんに揺り起こされて、何事かと思ったら採血。携帯を見ると、5時。5時!?その後、ほぼ1日置きに採血と採尿をしたのだけれど、常に採血は朝5時だった。なんでこんなに早い時間なのかと、この病院に勤めているママ友である看護師さんに訊いたら「朝食の前にやらないといけないの」と言われたのだけれど、それなら6時の起床後でいいんちゃうんかと思ってたりした。
病院での生活は、朝6時に起床→7時半に朝食→午前中の検診、検温、先生の回診→12時に昼食→15時前に検診、検温→18時に夕食→夜の検診、検温→21時半に消灯、の流れ。
この日に体重と身長を測ったら、体重は50キロを切ってた。ここ2週間くらいほとんど食べられなかったので、自分で鏡を見るのがイヤになるくらいに頬がこけて体が薄くなってしまっていた。いくらダイエットに勤しんでいるとはいえ、理由が分からず体重が落ちるのは怖かった。身長は166.2cmで、記憶にあるのよりも伸びてたw
午前中にエコーなど残りの検査をする。点滴は入ったまま。安静度はベッドサイドフリー(ベッドの周りとトイレのために動くのはOK)とのことで、トイレに行くついでに会社へ連絡。驚かれる。
午後に担当の内科医の先生と、肝臓専門の先生がいらして、ご挨拶と病状の説明をしていただく。とりあえず、ABCなどのウイルス感染はしておらず、サイトメガロやEBでも無い。とすると、薬剤性のアレルギーか自己免疫性かはまだ判断できないとのこと。
この日は一日ベッドの上でぼんやりしていた。水とお茶はOKだったけれど、食事は止められていた。病院からもらったパンフレットの中に、70歳未満の人は高額療養費の事前申請で認定証を発行してもらうことにより、医療費の窓口負担が減ることを知る。
夕方に母が来てくれて、必要な着替えなどを差し入れてくれる。

●3/5(金)〜退院まで

朝、担当の先生がいらして、数値は既に下がりつつあるので、食事は再開していいと言って頂く。脂肪肝でもなく高血圧でもないので、食事に制限は無く、何でも好きなものを食べていいといわれる。差し入れもOKとのことで、早速ワタシは母に梅林堂の武州路をオーダー。なぜか無性に食べたかった。
急性肝炎の症状の経過のひとつに「黄疸が出ると、食欲など症状が回復してくる」というものがあるのだけれど、まさにワタシはその通りで、食欲が戻ってきてしまい、とにかく出された病院食はほぼ毎回完食した。そして肝炎の治療のプライオリティは安静第一。食後は少なくとも1時間ほど横になっていることが大事。ってことで、ここ2年かけてやっと痩せたというのに、あっというまにぽっこりお腹が戻って来てしまった。くびれが…(涙)

食べて、寝て、採血して、食べて、寝て、、、の繰り返しの生活。
担当の内科の先生は数値が下がってきていますから、このまま様子を見ましょうという見解。肝臓専門の先生は、数値の下がりが緩やかなので、自己免疫性肝炎の疑いも消せていないから、このままだったら肝生検(肝臓の細胞を取って検査する)をしましょうという見解。どっちを信じたらいいのか良く分からないけど、やっぱり専門の先生のいうことを聞いた方がいいんだろなあとうっすら不安になる。点滴(ソルデムに強ミノ)に、内服薬としてウルソが追加される。
点滴が日中だけになり、夜は外してもらって、ようやくシャワー許可が出る。入院10日目。身体は毎日拭いていたのだけれど、とにかく頭が痒くて参っていた。裸になってみて、お腹の辺りもまだまだ黄色いことに自分で驚く。これじゃまだ退院は先かなあとうっすらうんざり。しかも10日ぶりだからと、髪も身体も2回ずつ洗ったらすごい疲れた。その日は一日ぐったりしていた。
ゆっくりではあるものの、数値は順調に下がっているので、このままだったらそろそろ退院のことを考えてもいいかもねーと担当の内科の先生に言われる。担当の内科の先生がお休みの時に代わりに来てくださった先生がおぎやはぎのおぎにそっくりで、しかも「かりん(仮名)さん、お変わりないですかー?ないですか。じゃあねえー」と陽気な感じも似ていて、ちょっと笑った。

入院も2週間経ってくると、同室の人とおしゃべりするようになるのだけれど、病棟が外科なだけに、ワタシ以外の入院患者さんは5人中4人の方がガンで手術など外科的治療を受けている方たちだったのでした。みなさん、病状はさまざまでしたが、何年という単位で患っている方ばかりで、しかし長く治療しているからこそ、新薬や新しい治療法が出てくればいつか治癒するんだという希望をしっかりと握って前向きに治療に取り組んでいらして、すごく人生勉強になりました。テレビやドラマで見ていましたけれど、ガンの治療は目の当たりにすると、その副作用など辛いですね。辛い、とワタシなんかが口に出すのも憚れるけれど、ご本人が一番辛いであろうこの副作用を乗り越えられるのだから、絶対治らなければ嘘だ本当に、と強く強く思いました。

正常と言える範囲にはまだ無いものの、数値は順調に下がってきており、ほぼ自己免疫性肝炎の疑いは無くなったであろうとのことで、今回の急性肝炎の原因については、やはり薬の飲み合わせやアレルギーでしょうという説明を受ける。どの薬がアレルギー反応を起こすのか、採血して調べることは出来るけれど、疑いのある薬を一つ一つ調べていかなければいけないし、費用が自己負担になってしまうので、とにかく今回症状が出た際に飲んでいた薬は、今後一切服用しないという予防策を取るしかないと説明して頂く。
入院中に熱が出て、ロキソニンを服用したけれど、これは問題が無かったので、今後は頭痛などの場合はロキソニン、またはイブプロフェンを使用するといいでしょうというアドバイスも受ける。ロキソニンは病院で処方してもらうしかないし、もう市販薬を飲むのは怖いので、これからは具合が悪かったらすぐに病院へ行こうと心中で決意する。

点滴を外して、内服薬だけに切り替え、数値が変動しないか様子を見る。血液検査、尿検査の結果はいずれも問題無し。
数値は正常範囲に限りなく近づいているものの、まだ正常ではないけれど、後は自宅療養でOKでしょうと退院許可が出る。退院の条件として「重いものは持たない、疲れない、無理しない、仕事は4月7日の検診の後に問題がなかったら復帰」を言い渡される。妊婦さんのようだ。
19日(金)の午前中に退院。ようやく娘と会えた!実は大学病院は未就学児は基本的にお見舞いがNGなのと、一度ママに会ってしまうと病院から帰らないとダダをこねたり、帰った後も面倒を見るじじばばが泣き喚かれたりするであろうとのことで、3日の夜から一度も会えていなかった。たまに動画や写真を送ってもらっていただけで、電話もしていなかったので、本当に娘と会えたのが一番嬉しかった。会った瞬間、思わず抱っこしてしまったけれど、腰が抜けるほど娘が重くて、自分の筋力の衰えに悲しくなった。

さて、娘を保育室に迎えに行って来よう。一旦、切り。