魔王-第十話

以下、いきなりバリネタバレ。っつむしろ罵詈雑言かも知れないので、いろいろと見たくない人はスルーでよろ。


(反転してます)

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・このドラマの脚本家と監督は、「熱い男」の定義が「走る、叫ぶ、泣く」だけだと思っているとしたら、バカだ。

・11年掛けた壮大なる復讐計画を粛々と実行している最中に、なぜ今更「自分の都合で他人を不幸にしている」ことを思い煩うのかさっぱり理解できない。なんだよ、その弱い決意。人、殺してんだぞ。むしろそれを自覚していなければ、対象者の周囲から攻めていくような復讐なんかしようと考えないだろうに。
っつか韓国版ではへーちゃん@オスのパパと大野くん@スンハの対決の時、料理屋の個室で真っ向からぶつかりあって、さながら狸と狐の化かしあいというか、スンハが百戦錬磨のオスパパに頑張って食いついていた印象が残ってるんだけど、違ったっけか?
あ、韓国版は先にオスパパがスンハの正体に気づいて、呼び出すんだった。いずれにしても少なくとも、今さらまさに復讐の対象者に「君だって他人を犠牲にしている」とか言われて、惑ってはいなかった。

・大野くん@スンハの心を動かすとしたら、やっぱり事務長しか居ないだろうと思っていたのに、ほんとに松沢さんは事務しかしてなかったよ…orz
韓国版で事務長が大野くん@スンハに「この事件も、あなたの少年時代に起きていなかったら、あなたがここまで追い詰められることはなかった」みたいなことを言ってくれた時があって、その頃からスンハがよく涙を流し感情を出すようになってきて、さらに辛さ倍増ドーンって感じが良かったんだけどねえ。
「あなたはみんなに愛されている」って大野くん@スンハとしての真中友雄@テソンとずっと一緒に仕事してきた事務長だからこそ言える台詞だと思ってたんだけどなあ。

対して生田@オスには恩師の先生が「君たちのいじめを当時解決できなかった」ことを謝罪してくれて、精一杯生きろと叱咤激励してくれて、ここもまた辛さ倍増ドーンだったのにねえ。
でも生田@オスに対してはお兄ちゃんも上司も同僚も理解を示してくれている設定だったから、まだ良かったかな。

・っつかもう生田@オスが涼子ちゃん@ヘインしーに好意を寄せている設定はスルーな感じですね。
恋が実った役どころを見たことない気がするぞ生田@オス。なんかあったっけか?

田中圭@ソクジンが不倫相手への想いを語るシーンは韓国版より良かったかも。若くて必死な感じが良く出てて。
実は韓国版ではソクジンが警察に捕まってから、ワタシはソクジンが不倫に対して本気だったのだと気づいて驚いたのだったw 互いに合意の上での遊びだと思ってたんだよ…w
韓国版では義姉は夫に対して悪かったって後悔して不倫を止めようとするんだけど、日本版はあからさまに嫌われてるひとり@お兄ちゃんカワイソス。

・でもそのシーンも含めて、お兄ちゃんがへーちゃんにママのことを詰め寄るシーンとか、へーちゃんが実は息子を信じていましたと大野くん@スンハに語るシーンとか、生田@オスが「死んじゃえば良かった」と心情を吐露するシーンとか、とにかくバカみたいに唐突に(←ここ重要)語りすぎ。尺が足りないのかも知れないけど、ドラマなのに語らないでお願い。
あー、韓国版ではオンマは生きてますね。別居中だったかな。

・ここまで見てきて、ワタシ、みんなを操っていたのが大野くん@スンハな気が全くしないんですが何でだろう。脇@デシクを殺したところは分かりやすく大野くん@スンハが唆したんだなって感じでしたが、それ以外は、特に記者@池端のところは微妙な感じです。
スンハは確かにみんなを操って、というか唆していたので、一人死んで行く度に「ああそうか!」って思えて(特に記者を死に追いやる段取りは不確定要素の積み重なりをうまく運んで行く様子が面白かった)、最後の最後にパパが死んだところで「うわ、全滅」と背筋が寒くなったもんですが。
日本版では大野くんの心情に重点を置きすぎて、トリックの部分が端折られたからかな。
それを言ったら、生田@オスの捜査もほとんど実際的なシーンがなくて、生田が刑事な気があんまりしないという最大の難点が。あ、言っちゃった。だってゴンゾウと平行して見てると、刑事モノとしての部分の落差が激しすぎて。

・予告で大野くんが額に汗して生田と向き合ってた。ってことはあの時点で刺されてる。
刺したのが二宮くんだったらいいなあ。再登場。

・もうこうなったら、ちゃんと生田の肩に大野くんがちょこんと頭を乗せて、二人で並んで仲良く死ぬシーンまで再現して下さい。きっと生田の肩に寄りかかる大野くんは可愛いったらこの上ないよ!(自棄)
だって二人の最期のシーン、韓国版でもラブラブ過ぎて、ワタシ、泣いたもの!ここに来るまでに二人の間に生まれた微妙な共有してきた感情というか人生みたいなものを見せられた気がして。
生田@オスも「あなたを見ていると自分を見ているみたいだ」って言ってる台詞があったけど。
そういや韓国版でヘインしーが「刑事さんと弁護士さんは仲良くなれるはず」とかも言ってた。
出会う形が違えば、仲の良い友人になれたかも知れないのにと思うと余計悲しかったなあー。

・生田斗真、最後の見せ場です。頑張って死にましょう。ここで一気に持って行って下さい。オスは持っていったよ。ばーんと。
あ、でも撃たれたシーンで「…な、なんじゃこりゃ!」とかやられたらどうしよう!


と、ダンナに言ったら「@Deepじゃないんだから、そんな演出ありえない」と言われました。


えー。まじめな感想ですが。

無罪と無実は違うんだよね。生田@オスは確かに無罪だったけれど、無実ではなかった。
大野くん@スンハがやったことも立証は難しいだろうから、おそらく無罪になるけれど無実ではなかった。
それって自分が一番自覚しているから、いつまで本当の意味で償うことも報いることも、もちろん忘れることも出来なくて、終わりのない苦しみの中を生きていくしかない。
辛いよね。
こうやって終わるのが物語的に一番美しいよね。死んじゃえば全部終わるもの。もういいよ、もう十分だよ、もう生きなくていいよ、二人とも。みたいな。

そういう風に「これは物語だから」と納得して思える結末がいいです。

その二人の死体を最初に発見するのがヘインしーで、ヘインしーは最初から最期まで二人の人生の目撃者だったから、残されたヘインしーがかわいそうで仕方なかったけど、涼子ちゃんにもそう思えるといいなあ。でもどうかなー。涼子ちゃんは結局、大野くんが心配なだけにしか見えないんだよなー。



と、文句ばかり言っていますが、ドラマ本編はもちろん番宣でも雑誌でも生田斗真がたくさん見られて、幸せな3ヶ月でした。
次も何かしら違うドラマで生田さんが見られたら幸せです。魔王よりもさらにハードルあげて、期待して待っています。
芝居でもいいけど、出来たらジャニがあんまり関係ないとこの芝居が見たいです。新感線とかでもいいし。


あれ。

最終回の前に〆てしまいました。ま、いいか。