苦しんだ先に

小さい弟の野球の試合はダブルヘッダーだったのですが、結局2試合とも勝利し、弟は2試合通して7打点という活躍でした。まあ練習試合ですけども、夏大に向けて良いアピールになったのではないかと思います。


高校に入ってから約2年間、ずっと肩の故障と腰痛に悩まされてきて、肩は手術もして、それでも痛みが消えなくて、腰も腰椎剥離みたいになっていたりして、今年に入ってからは試合にも出られなくて、弟は3年生でただ一人、下級生に混じってスタンドから応援したりしていて、それでも必死にチームメイトに声を掛け、鼓舞し、家に帰ってきてからは、自分が試合に出られないいらつきで親とケンカしたりしていて、春大も出られなくて、父親は弟を悪く言うし、ワタシや母はそんな父に腹が立つしで、もうダメなのかなと、正直3年間野球を続けただけでもえらいよと、そういう気持ちになっていたら。


「◯○(弟の名前)、絶好調ですよ」


とチームメイトに言われて、嬉しいったらないですよ。その言葉を裏付ける活躍が見れて、本当に嬉しいですよ。


バッティングフォームも崩れてしまっていたのに、今では肩の痛みを気にせず、自分が打ち易いフォームをやっと身につけられたらしく、それは基本からは外れていたけれど、それでも7打点。十分です。
守備も、最初に打球が飛んで来た時はヒヤヒヤしたけれど、その後はきっちり守れていて、問題なし。欲を言えば、もう少し体をしぼってくれたら、言うことなし。


自分の身内に甲子園に行って欲しいという夢は叶いそうにもないけれど、これだけ頑張っている弟をグラウンドで見られているだけで、ワタシは満足です。良い試合でした。暑かったけど、行って良かった。


夏大は7月からなので、ワタシは多分見に行くのが難しくなって来るんだけれど、今、こんな立派な弟が見られて、本当に良かった。あんな小さかったのになあ。いつの間にかワタシより大きくなってしまいましたよ。


悔いのない試合とか、そんなものはどこにも存在しないと思うけど、精一杯、高校三年生の野球をやり通して欲しいなあと。


願うばかり。


いつだってワタシは見ていることしかできないからね。
見ているだけってのは、歯がゆいねえ。でも、誰も何者も、誰かの人生を代わってやることって、できないもんね。