推理しない探偵

ありがとう、10周年!な、名探偵コナンの映画「探偵たちの鎮魂歌(レクイエム)」を観て参りましたよ。
振り返れば、最初の3作目くらいまでは、小さい弟を連れて観に行っていたのに、いまや小さい弟も高校三年生になり、「お姉ちゃんがお金出してあげるから、一緒に観に行こうよ」と言っても「ふざけんな」の一言で済ませられるようになってしまいました(遠い目)
だからというのも失礼な話ですが、ここ数年はレイトショー狙いで、ダンナとこそこそと観に行っています。
以下ネタバレです。
もはやここを訪れてくれている方で、映画館にコナンを観に行く人は居ないと思いますがw 一応、隠してみます。



で、肝心の映画ですが、オールキャストを謳うだけあって、ほんとにオールキャストが、分刻み秒刻み管轄違い(←ここ重要)で出て来ます。平蔵さんは一言、遠山のおっさんは二言くらいのご出演。
はちゃめちゃです。爆発物が仕掛けられた現場に、なぜ交通課の由美さんが…。強行犯係の横溝刑事(兄)が、なぜキッド様を…。


その上、いつものことですが、ストーリーも唐突です。大阪の和葉ちゃんが平気で横浜に居ます。大きな声で「工藤くんを待ってる蘭ちゃんの気持ちがわかるわぁ」と独り言を言うと、偶然、そこを蘭ちゃんが通りかかります。ありえません。


さらにその上、いつものことですが、いつにもまして、蘭ちゃんにも毛利のおっちゃんにも、小学1年生を面倒見ているという意識が薄くなっています。普通、小学1年生の子供を一人で遊園地の待機列に並ばせておいたりしません。普通、小学1年生の子供に「そっちは頼んだ!」と事件の推理を任せたりしません。


そして薄々最近気付いていましたが、やはり服部平次はコナンがそばに居ると、全く自分で推理をしません。顎で大滝警部を使い、集めてもらった資料をコナンに提供し「そやろ、工藤!」とか「わかったんか!工藤!」とか、そんなんばっかりです。おまえ、ここまで一人で推理してたどり着いたのに、なぜコナンと合流すると、途端に推理を放棄すんねん。
あげくの果てには、負傷したコナンちゃんとおぶって移動。完全に、コナンの足です。っつか保護者です。K3の時の平次さんはもう二度と戻って来ないのでしょう。しくしく。


対してキッド様はいい役回りです。二度もコナンを助けて、消えて行きました。キッド様は映画に出て来ると、必ずコナンを助けてくれますね。いい人だなー。
原作者の愛の対象が、平次よりもキッド様なのは明白たる事実ですし、青山剛昌高山みなみの家で飼われている猫の名前が「カイト」なのも知っていますが、ここまで差別されると、平次好きとしては悲しいです。さめざめ。


それにしても、前々作の映画の犯人の動機も「義経になりたかったんやー!」とか叫んじゃって、大笑いものでしたが、今回の犯人の動機も「愛する人が犯人だったのだと、他人から突きつけられたかっただけ」という、なんだかよく分からないものでした。「男と女の愛を深めるには、秘密を共有すること。だから犯罪に巻き込んだ」とか、語りも入ってました。大人って大変ですね。


でも面白かったんですよ(笑)ツッコミどころがありすぎて(笑)
いやあ、やっぱりコナンはお家で、指差して笑いながら観るのが一番楽しいみたいです。映画館だと声を殺して笑ってるから、ストレスが(笑)
そういや今作は「ハワイで親父に」習った技は何も出て来ませんでしたなー。



で、コナンはいつ終わるんでしょう。